生理用品の種類

ここでいう「生理用品」とは、月経時の経血処理に用いるさまざまなアイテムの総称とします。厚生労働省の承認が必要な医療機器に分類されるものから雑貨として販売されているものまで、まとめてみました。

【紙ナプキン】

1933年にアメリカのコ―テックス社が初めて製品化。日本では古来からボロ布や和紙などを使った月経帯という文化はありましたが、製品としては1957年に家庭綿を紙パルプで包んだ「ピンク」、1961年に紙のみでできた「アンネ」が発売されました。現在は最も普及している生理用品。ディスポーザブルでテープで下着に貼りつけて経血を吸収させます。ドラッグストアやコンビニで手軽に買えたり、飲食店やレジャー施設などの化粧室にサービスとして常備してあることも。紙やコットン素材が多く、一時期は液体生まれのラクトフレックスという素材があり我が家では愛用していましたが販売終了してしまい残念。

最も使用頻度が高いだけに、ぜひ女性の常識として使用法は”捨て方”まで正しく認識してほしいアイテムです。使い終わったとき使用面を内側に丸め、次のナプキンの袋やトイレットペーパーでくるんで捨てるよう、最初にお母さんが教えてあげてください。そのままトイレに流そうとして詰まらせてしまったり、公衆トイレにオッピロッゲで放置してる人も少なくなく、とても残念な気持ちになります。

主な素材:綿、オーガニックコットン、ラクトフレックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸ナトリウム

利点👍手軽に入手できる、誰でも簡単に使える

弱点👎かぶれや痒みが出る人もいる、ゴミ問題

【布ナプキン】

布製のナプキン。紙ナプキン同様下着にあててスナップボタンで留めて使用したり、ショーツとセットで布の端を入れ込めるようになっているタイプもあります。オーガニックコットンなど高価なものもあり1枚単価は紙ナプキンに比べ高いですが、洗って繰り返し使うためゴミが出ずエコであるというコンセプトもあります。

外出先でナプキン交換をした場合は、使用済みのナプキンをバッグに入れて持ち歩くことになります。抵抗がある場合は古着などを切って何重かに折りたたんだ「使い捨て布ナプキン」を用いる方法もあります。

肌がかぶれやすい人は紙ナプキンより布の方が快適な場合もありますが、「紙ナプキンは体を冷やすが布ナプキンは“子宮を温める”」「布ナプキンを使うと生理痛が軽減される」という効果については、今のところ根拠は証明されていません。

生理用品の中で最もスピリチュアルなイメージが一部付けられてしまったため、布派であることを若干口にしにくいという声もあるようです。

主な素材:綿、オーガニックコットン

👍肌触りが快適、かぶれにくい、エコ

👎使用済みのものを持ち歩くのが不衛生、着用時にゴワつく

【スリムナプキン】

 通常のナプキンに追加するナプキン。股に挟み込むだけなので、初心者でも使いやすい。個人的にはこれスゴイおすすめ。

👍ズレることがなく安心感がある、トイレに流せる

👎種類がない、あまり売っていない

【タンポン】

円筒状にした脱脂綿を膣内に留置して経血を吸収させるもの。厚生労働省の定義では「月経若しくは他の膣分泌物を吸収するために膣内に挿入するセルロース若しくは合成素材でできた詰め物又は月経若しくは他の膣分泌物を回収するために膣口に挿入する合成素材でできたカップ状の詰め物をいう。美学的又は脱臭の目的のため香料入りと無香料のものがある。」とされています。

1933年にタンパックスがアプリケーター式のタンポンを製品として発売したのが初めてと言われ、日本では1938年にエーザイの前身である桜ケ岡研究所が「さんぽん」が、ナプキンより前から発売されていました。のちに医療で止血栓や薬を染み込ませて使う衛生用品としても使われるようになり、生理用品に限定した名称ではありませんが一般では生理用品の一種と認識できます。

使用時間は8時間以内を推奨。入れっぱなしにすると黄色ブドウ球菌が原因のTSS(トキシックショック症候群)で死亡するといわれることもありますが、タンポンがあえて助長するような関連性はありません。

主な素材:脱脂綿、オーガニックコットン、ポリエチレングリコール、シリコーン油

👍経血が外気に触れない為においなど気にならない、水泳などできる

👎位置が正しくないと痛い、使用時間厳守

【海綿】

海の生物であるモクヨクカイメンからできるスポンジで、膣に入れてタンポンのように使います。柔らかいので膣の形に馴染み、痛みや違和感が少ない反面、取り出し用の紐が付いていないので出しにくかったり、衛生面があまりよくない面があります。ドラッグストアなどでメイク用品として売られています。

主な素材:天然海綿(ハニコム種/ソフトシルク種)、ウレタン

👍水洗いして繰り返し使用可、お風呂や水泳もできる

👎膣洗浄しすぎてカンジダになりやすい場合もある

【月経カップ】

天然ゴムやシリコンでできたカップ型の容器を膣内に入れて経血を溜め、取り出して経血を捨てて何度も使えます。海外のものを通販で買えますが、正式な医療器具として承認を得るのが困難なため雑貨として扱われることが多いです。

タンポンのように紐が外に出たりせず通常の下着で日常生活ができるので快適ですが、経産婦でないと正しい位置に留置できず痛くて使用を挫折することも。まれに取り出せなくなり、婦人科クリニックを受診するケースもあります。

主な素材:シリコン、医療用TPE(熱可塑性エラストマー)

👍エコ、においや漏れが気にならない、長時間(12時間以内推奨)使える

👎位置が正しくないと痛い、徐々に蛋白汚れが気になる、取れなくなって婦人科に駆け込む人も

【月経ディスク】

女性用コンドームにも似ていますが、月経ディスクは完全に膣内に入れてしまうので、使用感は月経カップに似ています。ディスポタイプの月経カップともいえます。但、リング部分が結構堅いプラスチック素材なので月経カップより挿入が難しいです。タンポンに代わる生理用品として水泳やセックスもできるというキャッチコピーもありますが、セックスは違和感があるようです。日本女性には直径も大きく使い慣れしにくいかもしれませせん

👍知ってる人が少ないので知ってると優越感←?!

👎日本では入手困難、挿入が難しい

【月経用下着】

大きく2種類、ナプキンを貼付けやすく防水加工されたサニタリーショーツと、ナプキン不要で直接下着が経血を吸収する下着とがあります。

サニタリーショーツは薬局やコンビニで気軽に購入できます。経血量に応じて防水面積が広いものや腹部まで覆う保温機能のあるものなど、デザインだけでなく機能も複数あります。素材はコットンや化学繊維などあり、個人の求める肌触りや防水性、使用するナプキンとの相性にもあわせて選べます。

一方、Leak-Proof Underwear=漏れ防止下着は、ナプキンや布を当てなくても下着そのものが経血を吸収し漏れないというものです。日本では

イギリスのWUKA(ウカ、4層構造)、ニューヨークのTHINX(ティンクス、4層構造)、韓国のNONSAEM(ノンセムパンツ、5層構造)、台湾のMOON PANTS(ムーンパンツ3層構造)など他にも各国多数あります。メーカーによりますが、タンガ(Tバック)からガードル型、水着タイプなどデザインも豊富で、FTM(女性の体で生まれ性自認が男性な人)を意識したボクサータイプといった配慮もなされています。男性トイレにはサニタリーボックスがないので生理ナプキンを持ち歩かなくて済むアイテムは多様性の時代に適しているのかもしれません。
最近日本でもフェムテックイベントなどでよく見かけるようになりました。

主な素材:コットン、ポリウレタン、ポリエステル、透湿防水布

👍ナプキンを持ち歩かなくてよい

👎多い日は経血が漏れた、洗濯が面倒(柔軟剤が使えない)

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