生理を知ると自尊心が高まる

 ケガもしていないのに血を流し、血を流しているのに痛がることなくケロリと日常生活ができる…それだけでも脅威ですが、定期的に起こるその現象がなくなるとお腹が大きくなりヒトが生まれる!…いまでこそ月経や妊娠出産のメカニズムは一般にも知られていますが、解明される前までは神秘の現象であり恐怖でもありました。

 西ヨーロッパを中心に多くの女性が犠牲になった魔女狩りも、女性の神秘からくる畏怖や誤解から、なんと国王や教皇、貴族、裁判官などが先導して行われてきました。なかでも、出産に立ち会い多くの血に触れ、母親や新生児の死、生命の誕生の傍らにいた「産婆」は、生命を操る能力を持っていると恐れられ、魔女狩りの対象として多かったといわれます。

 日本では、女性特有の出血である月経と出産時の血は穢れたものとみなされ、それぞれを「白不浄=産穢」「赤不浄=血穢」「黒不浄=死穢」といわれてきました。生理中の女性は月経小屋や土間で生活をさせられ、穢れの伝染を媒介する火や食器などを別にするという風習が全国各地にあり、地方により「神社・寺に参らない」「田畑に入らない」「舟・漁具にさわらない」など細かく定められた言い伝えが存在しました。

 現代になってやっと、何かと「これは女性差別だ!」と声をあげることができる女性が増えてきたものの、これまで女性は出しゃばらず主張せず、慎み控えるべき存在であったことは間違いありません。2018年公開の『パッドマン』という映画のなかでも、インドでは生理中の女性は家に入れてもらえない風習があり、夫に家に入ってもいいのだと促されても女性自らが卑下し拒否するシーンがみられました。

 このような背景からも読み取れるように、女性は昔から穢れた存在と位置づけされ、女性もみずから卑下し自己肯定感の低さを助長させていると考えます。現代の日本で、直接神事的に「生理中の私は穢れています」と認識する訳ではなくても、体調が万全でないときに「生理だから仕方ない=受け入れるしかない」と前向きになれないのがその発想例です。たとえば待ちに待ったイベントに生理が当たって楽しさが半減してしまっても「自然には逆らえない」と思い込んでいるため、生理をずらすとか止めてしまうなど前向きに対処する文化がないのです。
生理が謎の魔力ではなく科学的に解明された人体の神秘である事を受け容れるように、現代では「逆らえない自然現象」ではなく自身で管理し、起こす自由も止める権利も当事者である女性が前向きにとらえ、好きなようにコントロールできる時代だという認識が必要です。

 こういった健康管理をおこなったうえで、積極的にレジャーを楽しみ、責任を持って仕事に取組める充実感を味わえることが、女性の自尊心を高めることに繋がります。
 たとえば雇用に関しても、女性は結婚や妊娠で仕事を辞めざるを得ない可能性を秘めているため、途中で抜けられたら困るような責任の大きなものは任せられない現実があります。これに対し現代では、そのような理由で解雇したり不平等に扱ったりすることは禁じられていますが、女性自身もそれを笠に着て権利主張をするだけでなく、能動的に信用を得た働き方をすることも必要だと考えます。

 そのためのバースコントロール・月経リズム調整は一つの手段として有用ではないでしょうか。ピルを活用して、自身のイベントやキャリアアップに生理というハンデをなくすのは、理解した者勝ち、活用した者勝ちだと思ってます👍

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